仕事に悩んだら、フリハク。

自由な働き方・生き方を考えるブログ

さよなら青春。日々は変化してゆく。

 

春を感じる神保町のカフェより

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photo by Jackie.lck

 ここ3ヶ月くらいの間、毎週金曜日は、とある神保町のラーメン屋さんに通い続けている。大学生の頃から、通っているラーメン屋さんなので、もう8年近くの付き合いになるだろうか。大将の人柄とラーメンが最高のお店だ。しかしながら、この2月で長年の看板メニューであった「まぜそば」が終了になる。材料が手に入らなくなったのが原因だそうだ。

 僕らはあらゆることに慣れてきっている。朝行くべき会社があること、24時間のコンビニエンスがあること、友達がいること、家族がいること。その全ては、決して永遠のものではない。それでも、失うまではその大切さに気づくことは少ない。自己啓発の類の本に、日々感謝しろ書いてあることは多い。それが意味するところは、日々起きたことに感謝するのだと思っていたけど、本当に感謝すべきは「ずっとそこにあるもの」なのかもしれない。

 カウンターに座る。「まぜそば」が出てくる。いつもと変わらない味だ。食べながら、もう食べらないと考えるのは不思議な気持ちになる。脳で理解しているのに、実感が伴わない。食べ終わると小さな悲しみが丼の底に残っていた。

 「名残惜しいな」と大将が笑いかけてくれた。名残惜しいですと僕は答えた。

 「青春の味ってやつだな」大将はうなずいていた。

 「ごちそうさまでした」僕はまたひとつ青春にさよならを告げた。

 

大将が大盛りと特盛りを間違えて出したせいで、僕の胃の中は青春で溢れ、今にも口から飛び出しそうになっていた。