「正社員」は無くすとか守るとか、そういう問題じゃないよね?
どうも!
竹中氏が言った「正社員をなくしましょう」という発言。
リアルタイムで見ていたわけじゃないので「また竹中か!」と思ったりしたんですが、実際には少し曲がってインターネットに拡散されたようです。
竹中平蔵氏の「正社員をなくしましょう」はどんな流れで発せられたか?(文字起こし)|弁護士ドットコムニュース
実際には、竹中氏は民主党の辻本議員に対して、同一労働・同一賃金と言うなら、正社員なくしましょうって言うべきでしょ?と言ったつもりのようです。
前後の文脈を見ると、竹中氏としては「曖昧な日本の雇用ルールをもう少し明確化したい」というのが本当に言いたかったことのように思えます。
情報というのは、正しいソースを選ばないと本当に踊らされますね。
さて、このブログのテーマは「働き方」です。(知らなかった方も多いかもしれませんが一応そうなのです)
なので、私なりに正社員について考えてみたいと思います。
正社員は単なる会社との契約関係だけではない
正社員の問題を単なる能力の問題や、会社との契約関係で考える人がいますが、それは間違いです。
正社員という定義を変えるということは、健康保険や厚生年金などの支払いシステムに変更を加えることになるので、大きな法律改正やシステム運用の見直しが必要になります。
また解雇が自由になれば、収入の見通しが立たなくなるので、長期ローンを組む人は減るでしょう。銀行もリスクを考えて大金を貸しません。そうなると不動産会社は頭を悩ますことになります。自動車会社も困るでしょう。クレジットカード会社だって、カード発行の基準を新しく考えなければならないし、携帯電話会社も契約基準を考えなおすでしょう。
みんながお金を使わないということは、長期的には自分のお給料が減るということです。
ある程度の収入の保証されているということは、社会が安定して成長していくためには必要なことなのです。
だから、正社員は無くすとか守るとか、そういう問題ではないのです。
議論されるべきは、新しい雇用体系やカテゴリだと私は思います。
変化は雨後の竹の子のように起こる
上で述べたように、ある日、正社員という雇用体系が無くなることは、現実には考えにくいです。では、どのようになるか?それは新しい雇用体系がニョキニョキと発生する形で起こると思います。
つまり、正社員でも非正規雇用でも無い新しいカテゴリの雇用です。
今はまだ正規か非正規かという枠組みでしか議論されませんが、この枠組みが変化していくことは間違いないでしょう。
例えばフリーランスと呼ばれる人や、個人事業主と呼ばれる人、特定の組織には属さないけれど専門的な知識やスキルを持って仕事をしている人、あるいはそういう人たちの集合体。
これらの人たちは、まだ正規や非正規のように語られませんが、これからのビジネスにインパクトを持っている人たちです。このような人たちが増えてくれば、単純に正規・非正規の議論にはならないでしょう。
もちろん、もっと新しい雇用のカテゴリが生まれることも充分に考えられます。
フリーランスはあくまで一例です。
問題は「平日5日、9時〜17時半」だよね?
問題は正社員を無くすとか守るとかじゃないってことは、じゃあ問題はなに?
それは、会社の就労規則だと思います。なぜ平日5日、9時から17時半まで会社に行かないといけないんでしょうか?
その仕事、本当に「7.5h×5日」かかります?そもそも、仕事のモチベーションが上がらないのだって、同じ仕事ばっかりしてるからだと思いませんか?
なぜ正社員は、1人で何社か掛け持ちで働いたらダメなんでしょう?
疑問だらけです。
もっと色んな仕事ができたら、その分野で学んだことを別の分野で活かせるのに。
私は心からそう思っています。
たぶん、私みたいに考える経営者がこれからどんどん出てくるでしょう。
会社と新しいカタチで雇用契約を結んで、色んな会社で自由に働く。
ある会社では営業をして、ある会社では企画開発をする。そんな「働き方」が当たり前になる世の中になって欲しいです。(もちろん、全員そうなれって話ではありません。)
そうなったら、そんな風に働く人を見て、私たちはその人を何と呼ぶんでしょうか?
正社員?非正規?たぶん、違う名前が付いているはずです。
それでは!