「いつか」ではね、遅すぎることもある
3年前はどうだった? どんな未来を想像した? ー reflect by SCARLET
何かを始めるにあたっては、何事も遅すぎるということはない。そう思う。ただ全ての物事に、遅すぎることはないかと言えばそうでもない。時折、インターネットで、好きだったインディーズバンドの様子を調べたりする。知らない間に新しいアルバムを出していることもあれば、まさか解散してしまっていることもある。
冒頭に引用したのは「SCARLET」というバンド。SCARLETは、日本の男女ボーカルの3ピースバンド。感傷的で美しいメロディーが特徴だ。個人的にはとても好きだったのだけれど、昨年末に解散してしまったようだ。昨日、久しぶりに検索をして解散の情報を知り、ショックだった。彼らのライブは、もう二度と観ることはできない。新作も出ることはないと思うと残念でならない。
バンドという音楽形態は、ある種の奇跡なバランスで出来ている。そのバランスはいつ崩れても不思議なものではない。今日、観たライブが来年も観られる保証は全くないのだ。だから、ライブを観るときはいつも「これが最後かもしれないな」という気持ちで観ることにしている。好きなバンドのライブには、できる限り行こうとしている。「いつかライブに行きたい」では、二度と観られないかもしれない。
二度と観られないという意味では、先月、貴重なライブを観ることができた。「きのこ帝国」というバンドが行った赤坂Blitzでのライブ。MCで「新作を作るので、ライブを少しお休みします」と言っていた。そして、「きのこ帝国」は4月に新しいシングルをリリースするようだ。なんと、そのCDは「EMI Records」から発売される。つまり、彼らはメジャーデビューするのだ。ということは、僕が観たのはインディーズとして最後の「きのこ帝国」だったことになる。本当に行って良かったと思う、素晴らしいライブだった。ななめ隣の若い男性がライブを聴きながらずっと泣いていたのが、ものすごく気になったけれど。
「いつか」では遅すぎることがある。でも、それを「今日から」に変えればきっと後悔は少ないはずだ。いつか見たいものがあるなら、すぐに見に行けばいい。いつかやりたいことがあるなら、すぐにやってみたらいい。夢の実現は遠くなければならないなんて、そんなルールはない。人生はいつだって、自分で決めて、自分で歩んでいけるのだと思う。
ビーフシチューを温めながら、自宅より