恐怖の思考「無いよりもあった方が良い」という考え
セブンイレブン「パリパリ麺のサラダ」は美味い。自宅より
本質に目を向けられない人は多い。今日もまた驚くべきことがあった。仕事で使っているソフトの仕様が変更になったので、従来の作業のやり方を変更するかどうかの投票が行われた。
一方は手順を省略して作業工数を減らす新しい案。もう一方は従来通りの工数で変更しない案。もちろん、僕は工数を減らす新しい案に投票したのだけど、結果を見ると70%くらいの人が従来通りの案に投票していた。
理由は「従来の作業が無いよりもあった方が良い気がするから」
人間というのは、ここまで変化を恐れる生き物なのかと愕然とした。そして同時に、この「無いよりもあった方が良い」という考え方が、いかに本質を見せないようにするものであるかを思い知った。
「無いよりもあった方が良い」という考え方は、一見するとリスクに備えた合理的なものに思える。しかし、この考え方は何一つ「選んで」いない。だから、この考え方が増殖すると、人はどんどん身動きがとれなくなり、何が本当に大切なことなのか見えなくなってしまう。
今回の件でいえば、作業工数が減るということは、確実なメリットがある。全員の作業時間を短縮できるわけだから、時間あたりの人件費で考えれば、確実にかなりの価値を生み出すことになる。一方で「無いよりもあった方が良い」が価値を生み出す頻度は圧倒的に少ない。必要な時にやるだけでも全然問題ない。それでも「無いよりはあった方が良い」が選ばれたのだ。
人は、自分が持っているものや、やっていることの価値を過大評価してしまう傾向がある。タダでもらった物でも、手放すとなると惜しいと思う。無いよりもあった方が良いものが無くなると、損をした気分になるのだ。
同様に「やらないよりもやった方が良いこと」も過大評価される。それでいつしか「やるべきこと」に変化する。だから放っておけば「やるべきこと」はどんどんと増殖していくのだ。そんな時、僕らは「やるべきこと」をどんどんと捨てなければならない。そして「本当にやらなければならないこと」に目を向けなければならない。
人生は常にトレードオフの関係が成立しているのだそうだ。何かを選ぶということは、何かを選ばないということだ。どっちも選ぼうと欲張ると、動けなくなる。そして大きな損をすることになる。だから、「本当に大切なことは何か」ということをいつも考えなくてはならないし、物事の本質を見極める目を持っていなくてはならない。
あなたも、やるべきことに追われていませんか?それは本当にやるべきことか、一度立ち止まって考えてみてください。
本質を見極めることについては「エッセンシャル思考」がとても勉強になります。
人生を無駄な時間で消費しないためにも、ぜひ読んで欲しい本です。
今週のお題「これって私だけ?」にそえて。