仕事に悩んだら、フリハク。

自由な働き方・生き方を考えるブログ

みんな知ってるけど誰もやらないこと

 

風も弱く穏やかな日、グリーンカレーを食べる。自宅より

 

 この間、録画していたカンブリア宮殿をみていたら、相模屋というお豆腐屋さんの社長が出ていました。面白い話だったので紹介したいと思います。これを読む人の中でも相模屋の豆腐を食べたことがある人は多いかもしれません。関西の人でも関東の人でも。でもこれって実はすごいことなんです。

 知らなかったんですがお豆腐って通常5日程度しか日持ちしない食べ物なんですね。だから、いわば究極の地産地消食品なんです。でも、相模屋の豆腐というのは本州全域で販売されています。もちろんですが相模屋は群馬にしか工場を持っていない会社です。どうやったんでしょうか?

 答えは豆腐の製造方法を見直して賞味期限を3倍にしたんです。

 しかも賞味期限を3倍にできた方法もいたってシンプルでした。できたての豆腐を水で冷やさずに機械でパッケージするだけです。従来の豆腐作りでは、できたての熱い豆腐を一度水で冷やして、人が手作業でパッケージしていたので、日持ちが悪かったんだそうです。

 それだけで本州全土に豆腐を並べることができるようになったんですね。相模屋の豆腐はシェア40%を誇るそうです。

 さて、今これを読んだ方も、僕と同じこと思ったんではないでしょうか?

 村上龍氏も例外ではなかったようで、相模屋の社長に質問してくれました。

「なんでそんな簡単なこと、誰もやらなかったんですか?」

 この質問には社長も苦笑いでしたが、答えてくれました。

「誰も豆腐の作り方に疑問なんてなかったんですよ。それが当たり前だと思っていたんです。」

 そもそもお豆腐を作っていた人には、相模屋の社長ほど、自分のところの豆腐を全国に届けたいという思いがなかったのかもしれません。だから、前提や常識を疑うということに辿り着かなかったんじゃないかと思います。

 常識を疑えなんて、使い古された言葉です。でも、なぜ多くの企業ができないのか、その理由を相模屋の社長は語ってくれています。

 常識を疑えないのは「常識を疑うためには、リスクを取らなければならない」からです。

 大企業にとって、リスクは回避するものです。でも、中小企業だった相模屋にとってリスクは認識するものだったんですね。「リスクを上回るスピードで前進すれば、リスクは怖いものではない。」そう語っていました。

 このブログでも度々、言うことがありますが、ビジネスも人生もトレードオフの関係が成立しています。何も手放さずに何かを手に入れることはできないということです。

 よく誰もやらないことをやって成功している人を見て、「そんなの俺も知っていたよ」という人がいます。ビジネス書を読んで「知ってることばかり書いてある」と、得意げな人がいます。

 本当に賞賛すべきは、「みんな知ってるけど、誰もやらないこと」に挑むことができた勇気と知恵なのではないでしょうか?

 みんながやっていることを止めて、誰もやっていないことやる。これはとても勇気がいることだと思いませんか?

 僕もそんな勇気を持って仕事をしたいと思いました。

 

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