ソニーの「赤字・無配」から「気づくべきこと」
どうも!
ソニーが2300億の赤字見通しと、上場以来初の無配というニュースが流れてきました。
この事実に対して、どう理解をすべきなのか、考えてみたいと思います。
1、今回の赤字「かなりヤバイ」
今回のソニーの赤字の原因は、簡単に言うとスマホの苦戦です。
実はこれは一つの製品がチョット上手く行かなった程度の問題では無く、かなりの大問題です。
その理由は、ソニーはスマホをエレクトロニクス事業の柱の一つにすると明言していたからです。
現在のソニーの事業の柱は大きく3つあります。
- エンタテイメント(音楽・映画)
- 金融(銀行・保険等)
- エレクトロニクス
この3つです。
この中の「エレクトロニクス」事業の柱の一つが「モバイル=スマホ」です。(残りはゲームとカメラ)
ソニーは今年5月の経営説明会でもカメラ・ゲーム・スマホなどのコア事業に注力すると言っていたばかりでした。
それが半年もしないうちに、赤字を理由にスマホ事業を1000人リストラするとのこと。
経営の迷走っぷりがハンパじゃないです。
2、変化に気づいていない
今回のソニーの赤字を見て、ソニーがHDDウォークマンを発売した時の発言を思い出しました。
「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」 どうなったかは皆知るところでしょう。もう10年も前のことです。 (発言のソースはこちら)
今回は、半年足らずで自ら退場となりました。
ソニーは今回のスマホの不調の原因を中国などの安価な製品に「食われた」からだとしています。
しかし、問題の構図はそうではありません。問題は世界の図式が新しくなったことです。
昔の図式はこうでした。
「アメリカが新しい製品を考え、日本が小型化、高性能化する」
ここには日本のメーカーのつけいるスキがありました。
しかし今の世界の図式はこうです。
「アメリカが新しいものを世の中に広め、中国や韓国が真似て安いものを作る」
ここに日本のメーカーが入るスキはありません。
ソニーの問題は安価な製品に食われたことではなく、新しいものを作れなかったことです。
ソニーのクリエイティブの象徴「ウォークマン」が発売されたのは1979年。
はるか昔の話なのです。
3、売るものがない
そんなバカなと思う人がいるかもしれませんが、ある企業分析サイトによると「ソニーが2年以内に倒産する可能性は79%」だそうです。
倒産は現実的ではないかもしれませんが、私たちの知っているソニーでなくなる可能性はあります。
2年後にソニーはエレクトロニクス事業をやっていない可能性がかなりあるのです。
ソニーは既にテレビ事業を分社化、PC事業を終息させました。
モバイル事業も規模を縮小するとなると、ソニーがエレクトロニクス分野で売ることができるのは、カメラとゲームだけです。
もうソニーが売ることができるエレクトロニクス商品はとても少なくなっているのです。
最後に:ソニーの赤字に学ぶべきこと
ソニーの赤字は対岸の火事でしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
あなたの会社にだって、いつ起きてもおかしくないことです。
そして、それはもう起こっているかもしれません。
あなたの会社で成長が見込まれる事業はいくつありますか?
グローバル競争に巻き込まれていませんか?
経営陣は「今までの成功体験」に捕らわれていませんか?
新しい事業や製品に投資できていますか?
もう世界の図式は変わってしまいました。
今までのやり方では、もう対処できないのです。
そのことに一刻も早く気付き、行動できた人だけが生き残れる世の中なのです。
それはつまり「クリエイティブ」であれ!ということです。
今回のソニーの件は、そのことを改めて実感させてくれる出来事だと思いました。
頑張れ、ソニー!世の中をワクワクさせる商品が出て来ることを期待しています!
それでは!